今後の日本経済を素人なりに考えます。
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    アメリカの金融緩和の実体経済への効果は?野口氏の分析

    日本の異次元金融緩和政策の行く末を考察するにあたって、アメリカの金融緩和(QE)の事を考えてみる事は有効だと思います。

    リーマンショック後、アメリカは下記の金額規模の量的金融緩和に踏み切りました。
    QE1 08年11月~10年6月  (アメリカ国債)3000億ドル、(MBS)1.25兆ドル、(その他)1750億ドル、合計1.725兆ドル
    QE2 10年11月~11年6月  (アメリカ国債)6000億ドル、合計6000億ドル
    QE 3 12年 9月~(制限無し) (MBS)月400億ドル(継続中)
    ※MBSとは、住宅ローン担保証券。QE1は、MBSの際限無い価格崩壊を防ぐものであった。

    QE1により住宅価格の下落は止まり、金融機関は回復したので、リーマンショックの処方箋としては適切なものだったと評価されると思います。

    リーマンショックの時は世の中のみんなが経済に疑心暗鬼になり、経済活動が停止に近い状態に陥りました。そのような状況を打開する手段としては、量的金融緩和はすごく効果が有ったと言えると思います。

    では、金融緩和が実体経済へどのような影響を与えるか?野口氏は、さまざまな要素を上げて下記のように分析、考察します。

    ・マネーストックは金融緩和中、期待されるような増加傾向が見られなかった。
    ・失業率はリーマンショック前は4~5%台だったものが、QE1~QE2を行ってもなかなか9%台から落ちてこず、8%台に高止まりしている。
    ・QE3は、アメリカの雇用情勢が改善しないので実施に踏み切られたと言われているが、QE3後も目覚ましい失業率の改善は見られない。
    (リーマンショックで880万人の雇用が失われ、その後410万人しか回復できていないとの事。)
    ・アメリカ経済の問題は、所得賃金が伸びない事。いわゆる格差社会のひろがりである。その理由は以下の分析からである。金融緩和後にはアメリカの名目GDPは回復に向かい、12年4~6月にはリーマンショックの落ち込み前の08年4~6月の時点から8.3%増の回復を達成。企業利益も10年1~3月にはリーマンショック前の水準に回復し、12年4~6月には07年4~6月より18.8%も多くなっている。それにも関わらず、名目GDPの半分しか賃金所得は増えない。

    これらの事から野口氏は、名目GDPや企業利益が増えているのに失った雇用の回復や賃金所得は増えず、金融緩和によって所得格差が広がってしまう問題の実体を浮かび上がらせます。金融緩和は格差を広げるだけであり、社会のひずみを広げる行為である・・・。野口氏のメッセージが伝わってきます。

    では、アメリカの金融緩和の結果として、なぜこのような偏りが出たのか、それへの対策としてどのような事が有るのか、という野口氏の提言について次回見てみたいと思います。
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    テーマ:経済 - ジャンル:政治・経済


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