今後の日本経済を素人なりに考えます。
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    藤巻健史氏が考える、国債暴落のいくつかのシナリオ(その2) 海外債権の暴落

    藤巻氏が考える国債暴落のシナリオ「その2」です。

    その2.海外債権市場の大暴落をきっかけとするもの
    その2は、全世界レベルで国債市場が下落し、その時、財政事情の悪い日本の国債に世界の目が向いてしまい売りのターゲットとなって暴落する、というシナリオです。

    ◆欧州の国債について
    ・・・現在は欧州の国債金利は落ち着いているようです。一時は7%を越したイタリア、スペインの金利も、2013年5月の現段階で3~4%台で落ち着いています。

    ---背景にあるのは、欧州中央銀行(ECB)が12年秋に打ち出した国債買い入れ策を受けて金融危機が収束するとの期待感。ECBのドラギ総裁は10日の記者会見で「金融市場の信頼感は大幅に改善している」と、その効果を強く自賛した。(時事ドット込む「【図解・国際】欧州諸国の主な国債利回り」の記事から引用)---  

    しかし、このまま収束すると考えるのは甘いでしょう。上記に続いて、記事では下記のように述べています。

    ---もっともユーロ圏の13年の成長率は0.1%にとどまる見通しで、失業率は11.8%と過去最高を更新中。各国の債務残高はなお高く、スペインは中長期国債の発行を迫られている。金融市場の一部からは、「楽観論が先行し過ぎている」との声も出ている。---

    再び欧州の国債の金利が上昇し、ソブリンリスクが再燃するシナリオも大いに有ると思われます。

    ◆アメリカの国債について
    また、アメリカの国債の金利上昇も、何かのきっかけで有り得る話かもしれません。アメリカは、「帝国循環」とも呼ばれる、対外債務が積みあがり財政赤字が拡大してしまうシステムの中にいるらしいです。年間50兆円ほどのアメリカ国債を海外に売らなければ、財政がファイナンスできないと言われているとのこと・・・。詳しくは、「人力でGO」さんのブログの記事を見てみて下さいね。
    http://green.ap.teacup.com/pekepon/1126.html

    ◆そして、日本の国債について
    欧州の国債、アメリカの国債が危なくなった場合、日本の国債はどうなるでしょう。
    比較的安全な日本の国債に資金が流れ込むのでは?そうすると金利がますます下がるのでは?素人の私はそんな事も考えてしまいます。

    しかし、藤巻氏は面白い事(怖い事?)を言います。
    日本の国債の金利が低いのは、日本人が財政悪化に鈍感になっているからだと。

    もし、全世界レベルで国債が連鎖的に下落するような事になると、もう鈍感のままではいられない。
    ヘッジファンドを含めた世界中の投資家の目が日本の国債市場に向かう事になり、今まで膿がたまりすぎていたおできがボンと破れるように国債が暴落する可能性が有る、と。(国債が暴落すると儲かる人たちが、仕掛けてくる事も含んで言っている内容と思います。)


    それに最近の長期金利の乱高下を見ていると、日本の国債の安心度にも疑問が突き付けられているような気もします。なにかきっかけが有ったら・・・、藤巻氏が言うように、おできがボンと破れないとも限りませんよね。

    (それにしても、おできがボンって・・・やっぱり、藤巻氏の言葉は直感的・感覚的な内容が多い気がします・・・^^;)

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    藤巻健史氏が考える、国債暴落のいくつかのシナリオの内容(その1) 国債の格下げ

    藤巻健史氏が考える日本破綻のシナリオは・・・
    ある事がきっかけになり、国債が暴落。円安が進み、物価上昇に歯止めがきかなくなり、ハイパーインフレが発生する・・・
    というもの。

    ではさっそく、藤巻氏が考える国債暴落のいくつかのシナリオとはどのようなものか、見てみます。

    その1.国債の格下げをきっかけとするもの
    国債の格付けはいろいろな機関が行っていますが、日本の国債の格付けはどれもだいたい上から4番目くらいです。
    格付け会社により多少のばらつきは有るものの、中国・台湾・韓国と同等であり、経済規模にしてはかなり低い評価とされています。
    日本の債務残高の対GDP比はダントツ世界一ですから、評価が低くなるのも当然かも知れません。
    さらに。今後も財政改善の兆しが見えない場合、もっと格下げされそうです。(2015年までに消費税を10%にする事や、2020年までに財政の収支を黒字化できる見込みを示さない限り、格下げされる可能性が高いとの事。)

    この本の中では藤巻氏は、

    「グローバル債権インデックス」の指標に絡んで日本の国債が買われる今の仕組みがおかしい

    と指摘します。この指標は、世界の国債をどれくらい購入するか、の各国債の購入量のウエイト付けをする指標のようです。つまり、日本が国債をたくさん発行すればするほどウエイト付けが高められる仕組みらしく、年金資金などの保守的な資金の運用はほぼこの指標どおりに運用しているらしいです。

    つまり、日本の財政事情が悪化して国債がたくさん発行されるほど、自動的にそれを買ってしまう仕組みになっているとの事!

    パッシブ運用といって、指標に合わせて何も考えずに連動させる方式らしく、何も考えないので運用会社の手数料が安くなり、投資家のコストが抑えられるメリットが有るということ。もともとは低リスクで安定的な投資に対して行う運用のようです。

    しかし、ここまで健全性が悪化した日本国債を自動的に買いますオペレーションはおかしい、という考えがそろそろ出てくるはずだといいます。そのきっかけが国債の格下げのタイミング・・・なんですね。

    藤巻氏は、グローバル債権インデックスのウエイト付けが変更になった時に長期金利上昇、それも急騰する可能性を示唆します。
    マーケットに詳しいと自負する藤巻氏ならではの見解なのかも知れません。

    国債が発行されたら自動的に買ってくれていた動きに変化が出て購入される数が減ればすれば、おのずと国債の価格は下がり、金利上昇が起こるでしょうね・・・。

    これ以上、国債が格下げされませんように。



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    日本破綻説で有名な藤巻健史氏。国債暴落のシナリオとは?

    国債が暴落するとしたら、どんなシナリオが有るのか。
    昔読んだ本をあさっていると、藤巻健史氏の本が出てきました。
    2~3年前の本ですが、藤巻健史氏の「日本破綻 その日に備える資産防衛術」です。

    藤巻健史氏は、ずっと前からぶれずに国債暴落、日本破綻を唱えている、その筋での有名人ですね。
    かなり過激な事を言うので、ネット中ではかなり悪口が多いのかな、と思いましたがそうでも有りませんでした。

    ・テレビに出たのをみた事が有るけど、穏やかな人。
    ・かなり経験豊富で、昔実際に稼いでいた人なのでそれなりに信頼できる。
    ・藤巻氏が言うのは長期視野の相場観であり、経済学とは違う。それを理解した上で考え方を聞くのはおもしろい。

    などなど。ファンも多いようです。
    少なからず「彼の予想があたらなかった」とか、「日本が破綻する訳がない」とか悪口が無いわけでもありませんが、
    リフレ派&反リフレ派のネット上の加熱した議論、お互いへの攻撃がしばしば見られる事に比べれば、この人に対する攻撃は全然少ないです。こういうのは、人柄にも左右されるのでしょうね。藤巻氏は穏やかで正直もの、という評判ですから。人間、やはり人柄は大事です。

    話がそれましたが、藤巻氏の国債暴落に関する考えを見てみましょう。
    理論というより勘でものを言っている雰囲気も感じられますが、経験の豊富さがそうさせるのでしょう。(当たるか当たらないかは別として・・・)

    藤巻氏が考える国債暴落のいくつかのシナリオ。
    ①国債の格下げをきっかけとするもの
    ②海外債権市場の大暴落をきっかけとするもの
    ③日銀の買いオペ増額をきっかけとするもの
    ④日本の経常赤字の膨張をきっかけとするもの

    などなどです。

    国債が暴落するかどうかは別として、どれも起こりそうな内容ですよね。
    考え方は知っておいて損は無いと思います。
    次回、これらの内容について詳しく見てみたいです。


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    「リフレはヤバい」の小幡氏が説明する、円安による国債暴落シナリオ

    小幡績氏の「リフレはヤバい」、読んでみました。
    この本の中でも、国債暴落のシナリオについて説明されていました。

    まず、ご存知のように、現在アベノミクスの流れで円安の流れが進んでいます。
    小幡氏は、この円安の流れがこのまま進むと大変危険だと警告します。行き過ぎた円安が国債価格の下落を引き起こし、混乱を招く事になると。

    ではなぜ円安が、国債価格の下落を招くのか。

    ・ドルベースで投資を考えると、円安自体が国債価格の下落である。1ドル80円の時に、1万円の国債は125ドルだが、1ドル100円になれば100ドルになり、20%の値下がりになる。10年国債の金利が0.8%なら10年でやっと8%の金利なのに、円安によって2.5倍もの損が一気に出てしまう。80円が100円になる事が見込まれるなら、すぐに売らなければならないという事である。
    ・上記のようにドルベースで考えれば、日本国債を売って米国債に乗り換える動きが出る。多くの人がこの動きになり、日本円ベースで考えても国債の価格が下落する。(金利が上昇する。)
    ・負のスパイラルが起こり、国債が暴落していく。

    この様なシナリオです。
    外国人投資家が上記の動きを行うのは自然なのかも知れません。国債の保有率の中で外国人投資家は1割程度ですから、そこまで行くのかな?という気もしますが、今はグローバルな世界なので日本の投資家・金融機関もドルベースで考えて、上記の動きになるという事ですかね。本当なら恐ろしいです。

    ちなみに、国債の暴落とは価格の急落であり、金利の急上昇です。

    国債の1%の金利が3%に上がったらどうなるか。前回、野口氏の試算で、1%の増加なら0.617兆円の利払いの増加、3%であればその3倍の利払いの増加という話をしました。意外と利払い増加の金額は少ないな、という印象でした。

    しかし小幡氏は、国債の金利上昇が起こった時の、銀行全体の国債保有に対する含み損を試算しています。
    それによると、金利が1%から3%に上昇した時には10兆円の毀損が発生してしまうとの事。

    銀行の、毀損10兆円はすごい額です!

    利払い増加というより、こちらのほうが大問題なんですね。
    これによって、銀行は100兆円前後の試算を減らさなければならなくなるらしく、融資を減らす事で解決しようとすれば貸しはがし(=貸したお金を無理やり回収しようとする事)が発生するだろう、という事です。

    政府がこれを救済するために国債を発行して資金を調達しようと思っても、国債の価格が暴落して資金も調達できない。

    まさに負のスパイラルです。

    円安が行き過ぎると国債の金利が上がって、本当に上記の事が起こるのでしょうか。
    深刻です・・・。

    しかしやはり、国債の金利動向には今後も注視していく必要が有りますね。


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    日本の国債の金利上昇と、国債暴落の危険性についての考察

    さて、怖いタイトルですが、ずっと気になっていた日本の国債の事について考えてみたく思います。
    日本はこの事から目を背ける訳には行きませんので。

    野口悠紀雄著作の、「金融緩和で日本は破綻する」の内容を先生とし、ネットでの最新情報も交えて考察してみます。
    ※ちなみに野口氏の本はそれぞれの現象に対する解説が丁寧で、とても勉強になります。お勧めです。

    異次元金融緩和策以降、国債の長期金利が不安定になっていて、問題になっていますね。

    もともと、2012年中に10年国債金利が0.7%を割り込む状況を、野口氏は「国債バブル」と呼んでいます。ユーロ危機の影響で日本に流れ込んだマネーが主な理由ではないかと推測されていますし、アメリカのQEのマネーの影響も考えられています。日本の財政状況から考えると、低い金利は分不相応であり、「バブル」という事です。(金利が低いと言うことは価格が高い、と言う事ですから。)

    直近の金利の動向を見ますと・・・
    2012年12月 : 0.7%台
    2013年 1月 : 0.7~0.8%台
           2月 : 0.6~0.7%台
           3月 : 0.5%台
           4月 : 日銀が異次元金融緩和策を発表した次の日、4月5日に過去最低の0.315%を記録。しかしその後、じわじわ上昇。
           5月 : 金利は乱高下しながら上昇。一時期1.0%に到達。5月終盤は0.8%台で推移。

    異次元金融緩和策の発表後、金利が上がっています。(動きが不安定な事も有り、さらに心配感があおられています・・・)

    金融緩和でなぜ金利が上がるのか?その理由は以前も考えたように、下記などが考えられます。
    ・投資家が、景気回復などで将来の金利上昇を予測し、価格が高いうちに利益確定を望んで長期国債を売却。
    ・日銀が大量に国債を買うと日銀のオペのみで売る動きが増え、通常の国債市場が細る事になり流動性リスクが出るようになり、そのリスクを補うために国債価格が下落する。(=国債の金利が上昇する。)

    上記の理由ももっともらしいですが、実はこれまでが国債の「バブル」だった事も考慮からはずせません。「バブル」はいつかは崩壊するものですから。欧州の金融危機の収束や、アメリカの金融緩和の出口化へ向けた動き、それに上昇していく日本の株価のほうに魅力を感じ、日本の国債から他の資産へ資金が流出していく事で、国債バブルが崩壊に向かい長期金利が急上昇(国債が暴落)するシナリオも考えられそうです。

    ただし、暴落と言っても日本はギリシャのようにはならないと言われています。ギリシャの国債の持ち主は外国人が多く、危機が発覚した際に我も我もと国債が売られ暴落し、金利は30%を超える水準まで上昇しました。それに対して日本の国債の持ち主の9割は日本の金融機関などであり、度を越えて歯止め無くコントロール不能な動きまではしない、とも言われています。国債市場があまりにも不安定な場合、投売りのような事はせず自制した動きになるだろうと。

    実際、5月24日の日本経済新聞の記事に下記のようなものが有ります。

    ---「生保、金利乱高下に苦慮 一部に国債回帰の動き」
    大手生命保険会社が乱高下する債券相場に苦慮している。長期金利上昇に伴う金利収入増を重視する一部の生保が国債投資に回帰する一方、振れが激しい国債市場での売買を手控える動きも出ている。24日に出そろった2013年3月期決算は大半の生保が増益となったが、今期は不透明な市場での運用の巧拙が業績に大きな影響を与えそうだ。(途中略)
    足元では、生保の主要な運用対象である20年物国債の利回りが1.7%前後と12年度並みの水準まで上昇。国債に投資しやすい環境が整いつつある。住友生 命保険の松本巌運用企画部長も同日の会見で「今の水準が続けば、国債を増やし外債の残高は据え置くこともできる」との考えを示した。(途中略)---
    このように、国債の金利が上がればそれにより運用しようという動きも出てきています。

    しかし下記のような記述も有り。
    ---日銀が大量の国債を市場で購入し、長期金利が大きく変動している現状は生保にとって好ましい事態ではない。日本生命保険の大関洋財務企画部長は24日、 「今は流動性が少し落ちており、一般的に国債に手を出しにくい」と指摘。三井生命保険の杉本整運用統括部長も4月から5月にかけて、国債の買い増しペース を落としていると明かした。富国生命保険は国債の売買が円滑にできるようになるまでは、国債の積み増しを急がず現預金で保有する。---
    日銀の大量のオペの影響で、流動性が落ちて価格が下落気味である事は間違い無いようです。

    いずれにしろ、ギリシャのような大きな暴落は考えにくいです。

    しかし、日本の国債の残高は膨大です。1%でも金利が上昇するとダメージが大きいのでは?
    その事に対して、野口氏が本書のp.205~210で答えています。

    金利上昇が国債費に与える影響は、長期的効果と即時効果の2つに分けて考えなければならない、とされます。
    2012年末の普通国債の残高が709兆円程度。金利水準が1%ポイント上昇した場合どうなるか。

    長期的には、709兆円×1%=7兆円 の利払い費が増加します。これは消費税であれば5.6%アップしなければならない額とのこと。5.6%の消費税アップなど、国民が許しません。それに消費税をアップしたら景気を冷え込ませ、経済を萎縮させ、ますます税収が減るとされていますし・・・。つまり、景気回復で税収増加が無いまま金利が上がると、1%上がっただけでも大ダメージと言う事です。(長期的には。)

    次に即時効果について。上記で、長期的効果として709兆円×1%としましたが、これが即座に発生すると言う事ではないとの事です。
    即座に金利上昇の影響を受けるのは、上昇時点以降の、借り換え債(=償還国債から借り換えされる国債)を含めた新規発行分に限定されるとの事です。

    少々シミュレーションすると、
    ・毎年の新規発行国債がだいたい50兆円。金利が1%上昇したら、0.5兆円の利払い増加。
    ・借り換え債は全体の60分の1程度なので、700兆円×(1/60)×1% = 0.117兆円。
    ・以上を合計すると、利払い増加の合計は、0.617兆円。
    と言う事になります。そんなに大きな額には見えませんが、2年目、3年目と年々累積していき、利払いの増加が1年ごとに約0.1兆円程度増加されていくとの事。金利の1%の上昇でもこの額であり、今現在、ただでさえ回っていない財政が、さらに不利な状況に追い込まれていくということです。

    もし、金利上昇が2%、3%・・・となれば、利払い増加は1年目でも1.2兆円、1.8兆円と膨らんで行く事にはなります。
    でも、毎年の国債発行額50兆円のなかの1兆円程度の影響。国債についてじっくり考える前のイメージよりは、正直少額と思ってしまいました。(少額と思ってしまう感覚も、おかしくなっている気もします。)

    金利が数パーセント上昇したからといって直ちに国家破綻につながる訳ではない・・・みたいです。
    しかし万が一景気が回復しないのに金利のみが上がる状態になれば、負のスパイラルになり国民の心理的にも悪影響を及ぼし、加速的に財政破綻、国家破綻に向かう最悪のシナリオの危険性を警告する人もたくさいんいます。

    ただ、金利が上昇するなかで、その上で財政再建を行う道筋は一つしか有りません。
    国債バブルがはじけるにしろ、景気回復で金利が上昇するにしろ、金利上昇分による利払い増加の金額を取り戻してあまりある税収増加の達成が必要です。

    莫大な国債残高は、大きな重荷を背負っている不利な状況である事は間違い有りません。
    残高が今より少ない頃であればもっと楽だったのに・・・なぜこの金額に積み上がるまで何もできなかったのか、どうしてもそう考えてしまいます。

    しかし、とにかく外需では日本の技術力や日本の良さを世界に売って、内需では明るい未来を信じる人々がお金を使う世の中にして、景気を回復して税収を増やし、借金を少しずつ返して行くしか有りませんね。


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    2013年1~3月期は異次元金融緩和でも物価上昇なし。しかし実質GDPは飛躍的に成長。

    「量的緩和政策―2001年から2006年にかけての日本の経験に基づく実証分析―」の論文では、量的金融緩和では物価が上昇しないことが分析されています。

    安部政権になり、異次元金融緩和が唱えられ円安株高が進んだ2013年1~3月期の、物価指数(GDPデフレーター)は、前期の0.2%から0.5%から逆に下落してしまっています。やはり論文が予言しているとおり、物価上昇というのは簡単では無いんですね。

    しかし!
    1~3月期の実質GDP成長率は、前期比で年率換算で3.5%に達しているとの事です!これはかなりすごい数字です。

    成長の中身は下記です。(前期比の年率換算)
    輸出    : 16.1%
    住宅    :  7.9%
    家計消費 :  3.7%
    設備投資 :-2.6%

    円安がかなり輸出を伸ばしているようです。効果絶大ですね。
    住宅が伸びているのは、将来の景気回復で金利上昇や不動産価格上昇を予測した消費者の買いが増えたものでしょう。
    家計消費は、株高で潤った人々が消費に回ったのかもしてません。
    企業の設備投資がマイナスですが、1~3月というのは1年の中で設備投資への動きが最も少ない時期と聞いたことが有ります。

    論文では、
    金融緩和株価を上昇させ、その効果で生産高を増加させる」
    という手順でしたが、今起こっているのは、
    金融緩和で円安になり輸出が飛躍的に上昇。株高や景気回復への期待から住宅や家計消費も伸びている。」
    という感じです。

    また、論文では、
    株価上昇に遅れて生産高の増加が起こる」
    とされていましたが、今回は株価上昇とともに生産高の増加も同時に起こった、と言えそうです。
    このまま生産高の増加が続けば、つられて緩やかな物価上昇に導かれて行くのかもしれません。

    先週は株価の乱高下も有り今後がちょっと心配ですが、これまでのところ経済への良い効果があった事は間違いは無いようです。今後も経済の良い循環が続いてくれたら良いのですが。


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    量的金融緩和の効果・・・株価上昇と生産高の増加・・・そしてこれからの日本経済の考察

    「量的緩和政策―2001年から2006年にかけての日本の経験に基づく実証分析―」
    日本の、過去の量的金融緩和による経済影響を分析したこの論文は、現在の異次元金融緩和の状況とよく一致していると思います。この研究から導き出された結論は下記です。

    ・量的緩和ショックはまず株価を上昇させる。(株価が上がった経緯はこれまで見た通りです。)
    ・円安に向かう。
    株価上昇の効果で生産高を増加させ、実体経済にプラスとなる。
    ・しかし、長期金利(10年国債の金利)は上昇気味になる。
    ・量的緩和ショックは、物価上昇への特効薬とは成りえない。

    ちなみに、上記の株価上昇について論文の中では、当時の日本の状況を考えて下記の4つの影響も考慮・検証されています。(さすが、本格的な研究論文です。)
    ①日銀が、量的金融緩和政策に加えて行った、長期国債を購入したオペレーションの影響
    ②日銀が、量的金融緩和政策に加えて行った、銀行が保有していた株式を購入したオペレーション
    ③銀行の不良債権の影響
    ④当時の世界景気が良好だった事による、輸出増加の影響
    これらの影響が無い想定でシミュレーションを行っても、量的金融緩和株価を上昇させ生産高を増加させる事に間違いは無さそうです。

    この論文は、各現象をかなり緻密に検証されており、内容的にかなり信憑性が高いと思いました。単純な現象としては、今回もそれらが再現される(されている)と考えて良いのではないかと。

    では、それらが再現するとして、今後の日本で何が起こるか考えてみると・・・

    株価はまだまだ上がると思います。異次元金融緩和により銀行や保険会社や投資家が手にしたマネーは、ポートフォリオリバランス効果によりまだまだ株式市場に向かうと考えられます。また、当時の金融緩和と今回の量的金融緩和は金額規模が異なります。(異次元と呼ばれるくらいですから・・・)。株価のみならず、マネーは不動産などにも向かうと考えられ、土地の価格が上がって行くでしょう。また、マネーは外国資産へも向かうでしょうから、円安ももっと進む事になるでしょう。

    金融緩和は物価上昇率2%を目標に続けられます。しかし、金融緩和自体には物価上昇の効果は無いという分析結果が出ています。なので、なかなか物価が上昇せず、この政策が長期にわたり続く可能性が有ります。長期にわたり、株価上昇、円安、不動産価格上昇が続くかもしれないという事です。

    しかし、この論文の分析では、株価上昇は確実に生産高の増加につながる、と分析されています。その生産高増加が景気回復や、政府が目指している緩やかなインフレに向かう事ができたら良いと思います。

    ただし、生産高が増加すると言っても、魅力のある製品・商品を生産できるかそうで無いかで、日本国内や世界で売れるか売れないかが左右されると思われます。つまり、日本の企業が魅力のある製品・商品を作り出すことができるのかどうかが重要なのではないかと。今後は、企業の底力・技術力が試される時だと思います。

    魅力のある製品・商品が日本および世界中で売れて本格的に景気が回復する事になれば、今回の金融政策、アベノミクスはひょっとしたら成功を収められるかも知れません。しかし、万が一魅力が不十分で売れない事態になれば・・・株高などはある時点で単なるバブルで終わり、バブル崩壊後に深刻なダメージを受ける事になるのかも知れません。今後の日本がどちらに向かうのか。今の未熟な私には、どちらに向かうのかは判断できません。日本の企業の実力を把握できれば判断材料にできるかも知れません。もっと勉強して行きたく思います。

    あと、気になるのは、量的金融緩和で長期金利が上がってしまう事です。2012年末で1000兆円を超えるとされる国債残高は大丈夫なのでしょうか。このことも、今後詳しく考えて行きたいと思っています。


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    量的金融緩和での様々な現象。株価上昇、長期金利上昇の理由とは。

    浜田氏の「アメリカは日本経済の復活と知っている」のP.61で紹介されている論文
    「量的緩和政策―2001年から2006年にかけての日本の経験に基づく実証分析―」
    を紐解くと、今現在日銀が行おうとしている異次元量的緩和の今後が読み取れるかも知れません。

    論文を読み進める中で、当時の量的金融緩和において起こった現象への疑問、
    ・なぜ、株価が上昇したのか?
    ・なぜ、長期金利が上がったのか?
    ・なぜ、2001年~2006年の銀行貸出は減少したのか?
    これらについて理由をまとめてみます。

    株価上昇について
    ゼロ金利の時点での量的金融緩和政策では、銀行は国債等の資産を売却した代わりに手元のマネーが増えます。増えたマネーの運用方法については、
    ①銀行貸出を増やす。(お金をたくさん貸し出す)
    ②株式等を購入する。
    ③外国資産を購入する。
    などが考えられます。しかし、もともとゼロ金利状況でも借り手がいない状況なので、①には成り得ません。
    マネーは②や③に向かい、株価上昇に向かうと考えられています。(③の場合は円安に向かいます。)
    銀行の資産が減ってマネーが増えた部分のバランスを取るために株式などの資産を購入する動きが、ポートフォリオリバランス効果と呼ばれています。

    ◆長期金利の上昇について
    当時の量的金融緩和においても、満期の長い金利の方が満期の短い金利よりも反応が大きいという現在と似た状況が有りました。
    この理由は、投資家たちが将来の金利上昇(長期国債の価格の下落)を懸念して、短期の利子生み資産よりも長期の利子生み資産の保有に対してリスクを高く見積もったと推測されています。金融緩和によって景気が回復すれば、将来金利は上昇(国債の価格は下落)すると予測されますから、高いうちに利益確定を狙っての売りが増える、という解釈です。
    それと次のような解釈もありました。
    国債を保有している投資家は、日銀が大量に国債を買ってくれると思うようになると、通常の国債市場ではなく日銀のオペの時だけ売ろうとするようになる。そうすると通常の国債市場が細る事になる。市場が細ると、売り注文・買い注文を出しても売買が成立しない事が多くなる。つまり流動性リスクが出てしまい、それを補うために安く売るために国債の価格が下落する。(金利が上昇する。)
    本来、金融緩和を行うとシグナリング効果により長期金利は低下すると見られるのですが、当時も現在もおそらく上記のどれかの理由によって金利が上がってしまっているのですね。金融・経済の世界というものは、本当にわからないものです。

    ◆2001年~2006年の銀行貸出が減少した理由
    論文の筆者は、これも当時の状況を反映したポートフォリオリバランス効果の一環であると述べています。当時銀行はまだまだ多額の不良債権を抱えていた為、銀行貸出は高いリスクをかかえる事と考えられていたらしいです。逆に貸出を減らし、株式購入・外国資産の購入にポートフォリオを振り分け、リスク対リターンを調整した、と考えられています。
    しかし、現在は不良債権処理もだいぶ進んだということでしょうか、銀行貸出は若干増加しており、この点は当時の状況と異なります。


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    量的金融緩和で鉱工業の生産高が増え、景気が刺激される経緯とは

    浜田氏の「アメリカは日本経済の復活と知っている」のP.61で紹介されている論文
    「量的緩和政策―2001年から2006年にかけての日本の経験に基づく実証分析―」
    を紐解くと、今現在日銀が行おうとしている異次元量的緩和の今後が読み取れるかも知れません。

    前回、量的金融緩和によって鉱工業の生産高が増える事の、3つの変数のVARモデルでの証明を見ました。
    ではなぜ量的金融緩和によって生産高が増えるのか?論文の筆者がそれを証明する過程を見てみましょう。

    生産高、物価、金融政策変数という3つ変数に加え、金融変数を1つずつ増やした4変数のVARモデルでの、複数のインパルス応答関数を比較する事によって、何が景気を刺激するのかが明らかになります。

    ピックアップされた金融変数とは・・・
    ・さまざまな満期の名目利子率
    株価
    ・外国為替レート
    ・銀行貸出額
    です。

    論文では、これらのパラメーターによって導き出される12のグラフが比較されます。論文のP.68の図3「量的緩和ショックが金融変数に与える効果」です。
    http://www.mof.go.jp/pri/publication/financial_review/fr_list5/r99/r99_059_081.pdf

    これにより興味深い結果が明らかになります。銀行貸出以外については、まさに今現在日本経済で起こりつつ有る事、ほぼそのままの内容に見えます。
    ・最も顕著な結果として、量的金融緩和政策が一貫して株価を押し上げている。
    ・名目金利は低下しない。むしろ、長期金利は上がる傾向が見られる。
    円安に向かう。
    ・銀行貸出が減少する。
    ※ただし、銀行貸出については当時と今で異なります。2013年4月現在は、銀行貸出は前年同月と比べ若干しています。(一般社団法人全国銀行協会の報告書参照)
    http://www.zenginkyo.or.jp/stats/month1_01/entryitems/yokashi02361.pdf

    論文のP.70の言葉を引用すると、「量的金融緩和政策は株価を有意に上昇させ、円を若干減価させる。これら二つの効果は、ともに経済に拡張的な影響を与えると考えられる。他方、量的金融緩和政策は名目金利を上昇させ、銀行貸出を減少させるが、これは経済に拡張的な刺激を与えるものではない。」

    量的金融緩和で生産高が上昇した理由として、最も顕著な理由として、どうやら「株価の上昇」と言う事が分かりました。
    株価の上昇によって生産高が増加する理由としては、
    株価が上昇する事によって家計の富が増加し、その富の増加が消費を増加させる。
    ②Tobinのqが高くなることによって企業の投資が増加する。
    これらが主な理由であると、論文中では推測されます。ただし、
    ③借り手の外部資金プレミアムが低下する事によって銀行貸出が増加する。(株価上昇によって企業価値が上がり、資金が調達しやすくなる。)
    ④銀行の自己資本比率が改善される事によって銀行貸出が増える。
    という③④の理由については、2001年~2006年当時の日本経済においては株価上昇の理由として弱いとされます。
    しかし、当時と比較して今現在の銀行は不良債権処理もすすんでおり、③~④も鉱工業生産高の増加につながりうるかも知れません。

    しかし不思議です。
    ・なぜ、株価が上昇するのか?
    ・なぜ、長期金利が上がるのか?
    ・なぜ、2001年~2006年の銀行貸出は減少したのか?


    論文は、これらの理由にも答えます。
    次回はその理由について見てみます。



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    量的金融緩和は鉱工業の生産高を増加させ、景気を刺激する

    「量的緩和政策―2001年から2006年にかけての日本の経験に基づく実証分析―」
    この論文の中で、筆者が量的緩和政策が生産高水準を持続的に増加させる、と結論付ける過程を見てみます。

    筆者はまず、生産高、物価、金融政策変数という3つの変数でのVARモデルで検証します。

    【前提】
    標本期間      : 2001年3月~2006年2月
    生産高のデータ  : 鉱工業生産指数(IIP)=日本の鉱業・製造業の活動状況を総合的に表す指標
    物価のデータ   : コア消費者物価指数=全国の世帯が購入する各種の財・サービスの価格の平均的な変動を測定するもの(ただし「コア」は、天候に左右されて変動の大きい生鮮食品を除いたもの。)
    金融政策変数   : 日銀当座預金残高の目標額。(2001年3月~7月の5兆円にはじまり徐々に金額を増やし2004年1月~2006年2月には32.5兆円であった。)

    生産高・物価・金融政策変数という、3変数のVARモデルでのシミュレーションにより、「3点の興味深い結果が得られた」とされます。
    論文のP.68図2に、インパルス応答関数のグラフが有ります。
    http://www.mof.go.jp/pri/publication/financial_review/fr_list5/r99/r99_059_081.pdf


    VARモデルシミュレーションによる、3点の興味深い結果
    第一に、量的緩和ショックが生産高を持続的に増加させる結果が出ました。特に、量的金融緩和をはじめて2カ月後から増加し始め、8ヶ月後にピークを迎えるという結果が得られ、若干のタイムラグが生じる結果となっています。

    第二に、量的緩和ショックに対する消費者物価の反応が非常に小さいという結果が出ました。「日銀はデフレを回避する為に量的緩和政策を採用したが、量的緩和政策が一般物価を上昇させるのに成功したという統計的な証拠を得ることはできなかった。」と述べられています。つまり、量的緩和政策は物価の上昇、デフレ脱却には必ずしも特効薬とはなり得ない、と暗に述べられています。

    第三に興味深いのは、日銀の当座預金の残高の動向です。消費者物価が下がれば日銀当座預金残高は上がる。しかし生産高の増減に対しては日銀当座預金残高はほとんど反応無し。これは、日銀が生産高よりも物価に力点を置いて政策運営を行ったという事がシミュレーションにより証明され、日銀の公式声明と合致している・・・と筆者は分析しています。

    ここまでで、量的金融緩和は鉱工業の生産高を増加させる。ただし物価は簡単には上がないのでデフレ脱却という意味では特効薬的な効果は薄いといえる・・・という事がわかりました。
    しかし、鉱工業の生産高を増加させ、景気が刺激される事は確かなようです。

    なぜ、生産高が上がるのか。その経緯をこの論文の筆者は追及します。次回、それを追ってみます。



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    「流動性の罠」「ポートフォリオリバランス効果」「シグナリング効果」「VARモデル」とは?

    浜田宏一氏の「アメリカは日本経済の復活を知っている」のP61で、ゼロ金利下での量的緩和政策が景気回復に有効である事が主題の論文に示されている、と出てきます。しかし、本の中にはその内容の片鱗も出てきません。論文の内容を素人なりに紐解こうと思います。
    今回は、論文の【1.はじめに】に出て来る難しい言葉の意味を調べてみました。

    ※1「流動性の罠」
    金利が十分に下がりきっており、それ以上は金融政策を行っても金利が下がらない状態。
    金利をたとえゼロにしても、投資の需要が無く借り手も無く、融資のお金が流れない。(マネーストックが増えない。)
    金利がゼロなので、銀行に預金する利子も意味が無くなり、銀行にお金を出し入れする煩わしさより、現金でお金を持ったほうが利便性が高くなってしまう状態。(上記の融資のお金が流れない事に対して、預金のお金が流れない状態。)

    ※2「ポートフォリオリバランス効果」
    日銀の量的金融緩和政策の過程で、銀行の貨幣以外の資産が減少し、その代りに日銀当座預金が増える。(例えば日銀の公開市場操作で銀行から国債が買われると、銀行は国債という資産が減少して日銀当座預金が増える。)日銀当座預金は金利も何もなく、寝かしておいても何の意味もない。銀行は貨幣以外のなんらかの資産を購入し、そのポートフォリオ(安全資産とリスク資産の最適保有率)を元に戻そうとする。つまりポートフォリオのリバランスの動きである。
    銀行のみならず、投資家においても同様の動きをすることになり、何らかの資産が購入される事になる。何らかの資産とは、例えば株式だったり外債だったりである。株式の購入に向かえば株式市場が上昇する。外債であれば円安に向かう。つまり、この「ポートフォリオリバランス効果」が景気刺激効果を持つ。(実際、このポートフォリオ リバランス効果によって、2001年3月~2006年3月の量的金融緩和政策時の日本で株価が上がり景気刺激の効果が有った事を論文の筆者が指摘。)

    ※3「シグナリング効果」
    日銀が日銀当座預金の残高の目標額を引き上げ、その目標残高を実際に実現する事によって、短期国債の金利の低下を期待させ、実際に金利が低下する事。ゼロ金利政策を継続するという中央銀行の意思を市場に目に見える形で伝える。シグナリング効果が発揮されると、中長期国債の金利が低下し、実体経済が活性化する。

    ※4「ベクトル自己回帰モデル(VARモデル)」
    論文は、この分析手法を用いて現象を分析しています。この分析手法がどのようなものであるか・・・それを説明するのはとても難しいです。
    多数の変数を持った時系列を、確率を用いて推定する計算式・・・正しいかどうかわかりませんが、そのようなイメージです。
    論文の筆者たちは、「生産高」「物価」「金融政策変数」の3つの変数を基本として、それにもう一つの変数を付け加えたモデルをいくつか作成し、それを比較する事によって量的金融緩和の効果を導き出します。もうひとつの変数とは、「さまざまな満期の金利」「株価」「外国為替レート」「銀行貸出」です。
    最終的には、量的金融緩和により株価が上昇した事実を浮かび上がらせ、量的金融緩和が景気刺激に効果が有ったと結論付けます。


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    量的金融緩和における「ポートフォリオリバランス効果」で景気が刺激される。

    浜田宏一氏の「アメリカは日本経済の復活を知っている」のP61で、ゼロ金利下での量的緩和政策が景気回復に有効である事が、「量的緩和政策―2001年から2006年にかけての日本の経験に基づく実証分析―」という論文に示されているとされます。しかし、本の中にはその内容の片鱗も出てきません。論文はどのような内容なのか。気になります。軽い気持ちでネットで検索すると、PDFの論文を見つける事ができます。しかし内容を読んでみると・・・経済の素人にはちょっと難解な内容でした・・・(汗)。
    しかし、がんばって紐解いてみます。

    論文のポイントと思われる部分を要約して行きます。

    ◆【1.はじめに】・・・ 量的金融緩和政策に効果が有るか、無いかの議論について
    短期金利がゼロ(あるいはほとんどゼロ)の時にマネタリーベースを増加させることが効果を持つかどうか、に対する理論研究には2つの見解が有る。1つは、量的金融緩和政策は効果が無いという理論。金利が下限に到達した状況では、貨幣が国債の完全な代替資産となり、貨幣供給の増加に効果がでないというもの(Hicks 1937)。これを、Hicksは「流動性の罠※1」と呼んだ。
    もうひとつの見解は、短期金利がゼロであったとしてもベースマネーの増加は「ポートフォリオリバランス効果※2」および「シグナリング効果※3」を通じて効果を持ち得る、というもの。(Bernanke and Reinhart 2004 他、さまざまな研究者がこれを唱えているらしい。)

    「量的緩和政策―」の論文の筆者によると、上記2つの見解は、それぞれの仮定の下では論理的に一貫しておりどちらも正しいと言います。どちらも論理的に正しいが、しかし実際に量的金融緩和政策を実施するとどうなるのか・・・筆者たちは、2001年3月から2006年3月までの日本の量的金融緩和政策を分析する事により、これを明らかにしようとします。分析する方法として、「ベクトル自己回帰モデル(VARモデル※4」という手法で評価されています。

    結論から言うと、論文では「量的金融緩和は、ポートフォリオリバランス効果によって日本の株価が上昇し、鉱工業の生産高を増やし、経済活動を刺激する効果が有った。しかし物価は上昇しなかった。」という事を導き出します。

    論文の内容、非常に奥が深いです。量的金融緩和でマネーがジャブジャブになると、株価上昇や円が円安に向かう過程など、興味深い内容も有りました。

    次回からも、少しづつ要約し紐解いていきたいと思います。
    ※1、※2、※3、※4・・・言葉の意味が難しいです。次回、まずはそれらの意味を紐解いてみます。


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    人口減少はデフレ圧力になるのかインフレ圧力になるのか

    浜田氏は、日銀が人口減少をデフレの要因と主張した事に対して批判します。
    しかし、同時に人口あるいは生産年齢人口が実質生産に影響するのは当たり前、とも言います。
    生産年齢人口が減少すれば、労働投入量も資本投入量も減るので、経済成長も減るという訳です。
    しかし、浜田氏は、物価は貨幣的現象であり、人口と関連づけるのは学問的に見て全く的外れ、と言います。

    人口の増減と物価の上昇下降は、学問的には的外れなのかも知れませんが、それぞれの主張が有ります。

    ・人口減少で経済成長率が下がりデフレに陥りやすくなるという主張
    人口が減ることにより、経済成長率が下がる。(上で述べたとおりです。)
    経済成長率が下がるという事は、投資先が無くなっていくという事であり、金利が下がる。
    (成長しない経済というのは、投資先が無いと言うのと同義。投資先が無ければお金を借りたがる人はいなくなり、金利が下がる。)
    低成長・低金利になり、今の日本のようなデフレに陥りやすくなる。
    また、将来の人口減少の予想によって、消費や投資の手控えが起こり、需要の縮小につながりデフレ圧力になるという考えも有ります。確かに、住宅関連などは人口減少(の予想)の影響を受けるのかも知れません。

    ・人口減少で労働力が減り、相対的にカネよりモノが減って、インフレ圧力になるという主張
    これは貨幣の総量が変化しない場合、さらに、労働力の生産性が変わらない場合という条件付きだと思います。
    ただし、労働力が減ったとしても自動化や技術革新で生産量の変化が少なければ、カネとモノの数量的関係は変わらずインフレ圧力にもならないのではないか、とも思います。

    個人的には、社会全体のデフレ影響としての人口の増減は、それほどは関係が無いような気がします。
    人口が多くても少なくても、賃金が高い職業、賃金が上がる職業に従事できる人々が多いか少ないか、が問題になるのではないでしょうか。
    人口が少なくても技術革新などで職業全般の給料がどんどん上がっていく社会はインフレになるでしょうし、人口が多くても賃金が少ない職業に人々がシフトしてしまうような社会はデフレになるのだと思います。

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    貨幣供給増加の予想(量的金融緩和)で株高になる理由

    貨幣供給増加の予想(量的金融緩和)が株高をもたらす・・・浜田氏によれば、これは国際金融理論の最初の一時間目に学生に教えることらしいです。しかしこれはなぜでしょうか。本には理屈は書いて有りません。気になります。ちょっとネットで調べたくらいでは、貨幣増加の予想→株高の理由、にはたどり着けません。しかし、貨幣増加の予想→円安円安→株高、の考えを見つけることはできました。

    まず、貨幣増加の予想が有ると、なぜ円安になるか。
    実際に貨幣の増加が無くても、「増加の予想」が有るだけでも円安は進みます。
    アベノミクスで金融緩和(=貨幣の増加)を行い、景気回復の為に円安にします・・・この宣言だけでも、その宣言に信憑性があれば、本当にこれから円が安くなると判断した投資家たちが円を売ってドルを買い、ますます円安が進むという訳です。

    では、円安になるとなぜ株高になるのか。輸出企業などの業績改善が予想されるから、というのも有ると思いますが、下記の考えが面白いです。

    ---日本株の売買高の5割以上を占めているのは「外国人投資家」である。外国人の本拠はニューヨーク・ウォール街で、かれらはグローバルな証券投資を展開している。そのポートフォリオはドル建てで計算され、米国株に対する日本株の比率はしばらくの間、固定される。円相場が上がると、ドル建ての日本株時価は増えるので、ポートフォリオでの日本株の比率が上がる。すると、コンピューターによる自動売買プログラムが作動し、日本株を売って、日本株の比率の上昇を防ぐ。円安の場合、逆に日本株の比率が下がるので、日本株を買い増す。
    産経新聞特別記者 田村 秀男氏「円安と株高はなぜ同時進行するのか 円・株連動のメカニズムとは」2013.3.15 ネット記事から引用---

    円安になれば外国人投資家が自動的に日本株をたくさん買い、株高になるというのです。その株高の動きを見た日本人の投資家もつられて株を買うようになり、株高がますます進むのだと思われます。

    つまり、貨幣の増加の予測が株高を起こしている、今の日本の状況が説明できます。
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    リフレ派と反リフレ派の考えは180度違う

    野口悠紀雄氏の「金融緩和で日本は破たんする」を読んだ後、浜田宏一氏の「アメリカは日本経済の復活を知っている」を読むと、さまざまな考え方の違いに驚きます。

    ・デフレと円高は金融緩和で解決できる。
    ・貨幣供給増加の予測が株高をもたらす。
    ・人口減少とデフレは無関係である。むしろ人口減少はインフレを起こす。
    ・「量的緩和政策---2001年から2006年にかけての日本の経験にもとづく実証分析」・・・本多佑三氏ほかの研究によって景気回復に有効だった事が示されている。


    著作の第一章まででこれらの考えが出てきますが、ほぼ野口氏の考えと正反対なのが面白いところです。
    しかしそれぞれ最新の経済学・最新の国際金融論での常識、とだけ触れられ、詳しい理論は出てきません。
    浜田氏が述べている事のそれぞれの意味について、素人なりに深く考えてみたいです。

    ・「デフレと円高は金融緩和で解決できる。」について
    ---デフレは、円という通貨の財に対する相対価格、円高は外国通貨に対する相対価格、つまり貨幣的な問題なのである。したがって、それはもっぱら金融政策で解消できるものであり、また金融政策で対処するのが日本銀行の責務である。(p.26~p.27引用)---
    野口氏の本を読んだすぐ後ではなかなかすんなり納得しがたいところが有ります。知らず知らずのうちに、私も反リフレ派に傾いてしまっているのでしょうか?^^);
    通貨供給量が増えれば円安に振れ、景気に対して有利に働く事は間違いないと思います。(適正値の円安であれば。)
    金融政策でデフレを解消するとは、通貨供給量を増やしてお金の価値を下げ、インフレを起こす事と思います。現象的にはそうなると思いますが、労働者の賃金上昇が本当に上がるのか、スタグフレーションを防ぐにはどうすれば良いのか、というリスク部分の議論はこの本には無いようです。「期待に働きかける事が大事」と有りますので、リスクの部分は意図的に詳しく述べないようにしているのかも知れません。

    次回、そのほかの事についても詳しく考えていきたいと思います。
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